【前編】AI・データ時代の企業経営 データサイエンスが変える未来

目次

企業にとって、DX(デジタル・トランスフォーメーション)は待ったなしの状況となる中、経営におけるデータサイエンスの活用や人材の獲得は急務となっている。Day 1ではDX推進やデータサイエンティスト育成を手掛ける企業や有識者による講演が行われた。

Day 1 テクノロジーセッション

基調講演「AI×DXをはじめよう」

GRIT Tech CTO/日本ディープラーニング協会 有識者会員 巣籠悠輔氏

DXの進展と相まって、AI(人工知能)×DXの取り組みが加速している。研究におけるAIの目的は「機械上で人間の知能を実現すること」だが、産業利用においてAI は「自動化」で活用されている。AI活用の事例は、既に国内でも数多く存在し「自動化の波」は大きなうねりとなっている。

AIの予測は入力と出力の関係性を見つけるパターン識別により行われている。AI×DXに取り組む際には「どのようなデータをもとに、何を予測したいか」が入力と出力を決めることになる。まずはスモールプロジェクトで様々なことを高速で試してみて、上手くいきそうなところでデータを集めていくというアプローチが重要だ。

AI研究は最新技術に関する論文やソースコードをオープンにする「AI の民主化」が加速している。また、近年ではコードを書かずにモデルを作る「ノーコード」という分野も発展してきている。まずは一歩踏み出すことから始めてみてほしい。

データサイエンス人材育成最前線

パネルディスカッション

(左)Rejoui 代表取締役 菅 由紀子 氏
(右)LIXIL デジタル部門 システム開発運用統括部システムインフラ部 原田 華帆氏

データサイエンスやA Iの開発、人材育成などを手掛ける菅氏は、データサイエンスティストのスキルセット、人材育成におけるポイントを解説。データサイエンス力を身につけるには「思考体力を鍛えることが重要」と強調した。原田氏はL I X I Lのデータ活用基盤「LIXIL Data Pl atform(LDP)」で、すべての従業員がデータを利活用するためのサポート体制や実際の活用事例を紹介した。

ディスカッションでは、データ人材育成についての議論が交わされた。菅氏は「日本の多くの企業にデジタル部門が設置されている一方で、組織全体の変革にたどり着けていない」と指摘。一方で、L I X I L社のLDPをはじめとするデータ利活用の取り組みを、トレーニングとフォローによる前後のサポートで組織変革を進めている点が優れていると評価した。原田氏は「データの利活用に抵抗感を抱かせないための工夫やサポート、現場のスタッフとともに検討し進めていく、手を取り合う姿勢が大切だ」と述べた。

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