【後編】AI・データ時代の企業経営 データサイエンスが変える未来

目次

デジタルを中心とした社会変革が起こる現代において、企業経営における最新のテクノロジーの活用は不可欠といえる。Day 2では企業経営におけるテクノロジーやデータ利活用の最新事例が紹介され、企業のDX戦略のあるべき姿について話し合われた。

Day 2 企業経営セッション

特別講演 量子アニーリング
「量子アニーリング等イジングマシンの現状と展望 ~社会実装の基盤を目指した研究開発の実際~」

慶應義塾大学 理工学部物理情報工学科 准教授 田中宗氏

情報処理とはデータを入力した際に何らかの答え(出力)が出てくるという一連の流れのことを指すが、データによっては処理に時間を要するものがある。現在、情報処理にかかる時間を短縮する役割を担う次世代アクセラレータ(加速器)が注目を集めている。その一つがイジングマシンであり、その中で量子力学の性質を利用したものが量子アニーリングマシンである。I oT社会やSociety5.0、あるいはDX といった変革のうねりの中で期待されていることは、膨大な選択肢から制約条件を満たし、ベストな選択肢につながる「組合せ最適化処理」を高効率に行うことだ。

現在、国内での産学連携の研究事例が増加。情報処理推進機構(IPA)の「未踏ターゲット事業」では、イジングマシン、ゲート式量子コンピュータのソフトウェア開発人材の育成が行われている。量子アニーリングの社会実装を推し進めるためにも、何かしらの専門性を持ちながら量子についても学んだ「量子バイリンガル人材」が必要だ。

協賛社講演「After AI幻滅期 次世代ビジネスパーソンのためのデータ活用の勘所」

KPMGコンサルティング
Advanced Innovative Technology PRINCIPAL 山本直人氏

AI は今でも依然として世の中にインパクトを与えるポテンシャルを秘めている。

しかしAI 活用事例を見るとそのポテンシャルを生かし切れているとはいいがたい。AI による新価値創出のポイントはいかにして“新結合”を見出すか、という点だ。異質なものを掛け合わせ、条件が満たされるとイノベーションは生まれ、無限の組み合わせの中から価値を発見する際に、AI を活用していく。

企業の将来ビジョンとアルゴリズムは非常に遠い関係だが、これらを紐(ひも)付けることが企業の非線形なジャンプアップのために必要であり、それをAI 等先端技術を活用し実践していくことこそが、次世代のビジネスパーソンの要件なのではないか。

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