100年先見据えたデジタル化を

「Digital or Die!(デジタル化か、それとも死か)」。強烈な言葉が世界では飛び交っている。コロナの影響も加わり、わが国も本格的なデジタル社会へと突き進んでいる状況だ。デジタルトランスフォーメーション(DX)をチャンスと捉え、100年先を見据えた社会構築が、いま求められている。 本コラムは2021年3月17日日本経済新聞朝刊掲載 広告企画「2021年DXの本格的夜明け」を採録したものです。

特別インタビュー

9月のデジタル庁発足に向け、政府は様々な取り組みを加速させている。テーマは「人に優しいデジタル化の推進」だ。その先頭に立つ内閣官房の津脇慈子企画官に話を聞いた。

内閣官房 企画官 津脇慈子氏

2004年東京大学法学部卒。同年経済産業省に入省。
キャッシュレス推進室長、大臣官房企画官などを経て、現在内閣官房・情報通信技術(IT)総合戦略室・デジタル改革関連法案準備室企画官

国民目線の行政サービスに

―――DXをどう捉えていますか。 津脇氏DX化イコールIT(情報技術)化ではないと思います。IT導入で仕事の進め方や業務の内容、サービスの中身まで変えていくのがDX。誰のために何を実現したいのか。トップが目的やビジョンを示し、関係者がトップと思いを共有してその実現に向かって取り組むことが欠かせません。 いまコロナの影響もあって、デジタル化の価値が再認識されています。この機運を生かし、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を推進していきます。 ―――具体的にはどのようなことですか。 津脇氏デジタル化によって、行政サービスをより使いやすく便利にしていくことがデジタル庁の役目です。例えば、転出転入などのたびに、名前、生年月日、連絡先などを繰り返し記入することなく手続きできる環境の整備もその一つです。 現在、正確性や最新性が確保された社会の基盤となるデータベース(ベース・レジストリ)の構築に取り組んでいます。また、地方自治体におけるシステムの保守・維持管理の負担軽減の観点から、国が整備する共通的な基盤・機能を提供する複数のクラウドサービス(ガバメントクラウド)を地方自治体にも安全にかつ安心して利用してもらえるようにしていきたいと思っています。 とても時間のかかるプロジェクトですが、最終的には、デジタル化により、業務効率やコスト削減だけでなく、本来届けるべき国民の目線に立ったより良いサービスの提供につなげていきたいと思っています。 ―――「デジタルの日」の実施を決めました。 津脇氏まず今年は、デジタルを表現する「イチ(1)」と「ゼロ(0)」を組み合わせた10月10日、11日に実施することにしました。国民の皆さんにデジタルについて定期的に振り返り、体験し、見直してもらうことで、その良さを知ってもらう機会にしたいと考えています。セミナーや体験イベント、キャンペーンなど、既に多くの企業・団体が参加を表明してくれています。 ―――民間人材の採用も担当されていると聞きました。 津脇氏いま採用面接を頑張っているところです(笑い)。今回、30人程度の募集に1400人を超える応募がありました。テクノロジーの理解が深いことはもちろんですが、デジタル庁の理念や価値観に共感しDX推進に向け機運を一緒に形作っていく思いや覚悟のある人材を求めています。 勤務形態はテレワークや兼業でも可能にしました。デジタル庁でチャレンジングな仕事をしてもらい、その経験を次のキャリアに生かす「リボルビング・ドア(回転扉)」の体制も作っていきます。 ―――平井デジタル改革担当相は「システム構築に終わらせず、国民を幸せにする」と檄(ゲキ)を飛ばされたそうですね。 津脇氏はい。その実現に向け、縦割りをなくし、民間の力を借りながら、デジタル化で霞が関を変えていく。その決意です。

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