目的は一人ひとりの幸せ デジタル社会へ司令塔

目次

9月1日、デジタル社会形成の司令塔となるデジタル庁が始動した。新たな組織が取り組むのは「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」(平井卓也デジタル大臣、肩書は当時)の推進だ。大胆なデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて、構造改革の先頭に立ち、すべての国民にデジタル化の恩恵が行き渡る社会の実現を目指す。

目的は一人一人の幸せ デジタル社会へ司令塔 〜デジタル庁発足 DX前へ①〜 を読む
民間から精鋭 縦割り打破/感じようデジタルの日〜デジタル庁発足 DX前へ②〜 を読む
カギ握るマイナカード/企業、問われる継続力 〜デジタル庁発足 DX前へ③〜 を読む

インタビュー

デジタル大臣 平井卓也氏(肩書は当時)

1980年上智大学卒。電通、西日本放送社長などを経て2000年衆院選初当選。当選7回。自民党IT戦略特命委員会委員長などを歴任。18年IT政策担当相、内閣府特命担当相、19年自民党デジタル社会推進特別委員長。20年デジタル改革担当相、IT政策担当相、内閣府特命担当相(マイナンバー制度)兼任。21年デジタル庁発足に伴い、デジタル大臣に就任。63歳。

構造改革、国と地方最適化

デジタル改革担当相としてデジタル庁の立ち上げを陣頭指揮し、初代の大臣に就任した平井卓也デジタル大臣に、デジタル庁が担う役割と果たすべきミッションは何か、そして、デジタル社会の実現に向けてどのような未来図を描いていくのか話を聞いた。

―――デジタル庁の司令官として、発足に当たっての思いを聞かせてください。 2020年9月にデジタル改革担当相に就任してから1年も経たないうちに全く新しい組織が立ち上がることは非常に感慨深いと感じています。規制改革の象徴で、成長戦略の柱になるような組織をつくれという総理からの指示を受けて、民間の有識者の方々や若手の官僚の皆さんと議論をする中で出てきたのが今のデジタル庁の姿です。 構造改革の先頭を切る組織であり、日本の未来にコミットする組織だと考えています。前例主義を打破し、現状を否定したところからスタートするということで、今までの役所とは全く違う組織文化を持たなければなりません。 調達改革やコンプライアンスの順守に加え、透明性の高い組織をつくることにも力を入れました。デジタル化を何のために、どのように進めるかということを常に国民の目にさらし、それを説明できるような組織を目指したい。デジタル庁の役割や機能、そして仕事を見てもらえれば、次の時代をイメージできるようになることが重要です。 ―――今後、デジタル庁として具体的に取り組んでいく業務は何ですか。 まずは国と地方のシステムの連携と全体最適化を進めていきます。国のシステム予算は約8000億円、地方自治体の場合は約5000億円ですが、いずれも未来への投資というよりも、現状維持のためのコストになっています。 システム全体のトータルデザインを共有しながら、同じゴールを目指して、一つの方向に走れるようにすることで、バラバラだった国と地方のデジタル関連予算が未来に対する投資になるように構造を変えていきます。ここが非常に重要なポイントで、国民の皆さんがワクワクするようなお金の使い方をさせていただきたいと思っています。 制度設計やシステム設計の基本的な考え方を事前に整理しておくことで、緊急時には新しいサービスを1週間で立ち上げられるようにすることも目標にしていきます。

次のページ:給付金 申請主義を脱却
  • 1
  • 2