第4部 健康・医療DX推進にむけて 〜医療DX④〜

目次

デジタル改革を通じて、日本の医療が抱える課題を克服する。12月7日に開かれたシンポジウム「健康・医療のデジタル改革に向けて MEJ四次元医療改革研究会」(一般社団法人Medical Excellence JAPAN=MEJ、日本経済新聞社主催)は「電子カルテシステムの改革に向けた提言」を公表。国、医学界、産業界の進むべき方向を示すことで、医療改革に向けた第一歩を踏み出した。

「四次元医療改革」、一歩ずつ前に

一般社団法人 Medical Excellence JAPAN 副理事長 小松 研一氏

近藤達也・前理事長が常々おっしゃっておられたことは、「医療は医学の大きな進歩に支えられていることはもとより、様々な学問が社会実装され、産業として社会を動かしている力にも大きく支えられている。今世界は真の医療を熱望している。真の医療を、倫理観を持った医療者が推進していくためには、個々人の医療データを的確に把握していかねばならず、医療データのデジタルトランスフォーメーション(DX)が肝であり、四次元医療改革の一丁目一番地である」という熱い思いだ。中期計画として四次元医療改革を取り上げ精力的に推進してきた。道半ばではあったが、多くの方々に強い志を託しておられる。総力を結集して、四次元医療改革、特にその一丁目一番地である医療データのDXを一歩ずつ前に進めてまいりたい。

総括 患者中心の合理的医療の実現に向けて

一般社団法人 Medical Excellence JAPAN 理事長 笠貫 宏氏

本シンポジウムでは、①標準化の推進が、日本における医療情報の一層の利活用を促進するという認識を共有した。②阻害要因の分析を基に、医療現場で負担なく質の高い情報を入力し利活用できる電子カルテへの改革と、標準化を進めるための環境の整備を提言し、国・産業界・医学医療界がとるべき方策を明確にした。③政府内に健康医療情報のデジタル改革の権限を持つ推進責任組織の設置、および改革推進のための法整備の必要性が議論された。新型コロナパンデミックで顕在化した医療DX(デジタル技術による医療の変革)の遅れは医学医療界のみならず国民が広く認識しているところである。本提言は医療DXを推進し諸課題を克服するツールとしての電子カルテ改革の始まりであり、次年度は患者中心の合理的医療を追求するデジタル医療基盤の実現に向けた取り組みを展開したい。

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