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第4部 健康・医療DX推進にむけて 〜医療DX④〜

目次

電子カルテシステムの改革にむけた提言

MEJの四次元医療改革研究会は「電子カルテシステムの改革に向けた提言」として8項目にわたる提言書をまとめた。国、産業界、医学界に対して、それぞれが進むべき道筋を示すことで、デジタル社会に適応した新たな医療提供社会の実現に動き出す。

提言

1.国は電子カルテシステムのユーザビリティを劇的に向上させる研究開発に投資し、産業界は新しい情報通信技術を積極的に活用した画期的な電子カルテユーザーインターフェイスを開発すること

2.国は電子カルテシステムを用いた患者の安全および医療従事者の診療支援機能の高度化を促進する施策をすすめ、産業界は単なる紙の置き換えではなく診療業務の理解の上に成り立つ真に医療に役立つシステムを設計すること

3.国は革新的な医療の開発のために電子カルテの診療情報を共通して収集できる仕組みを整え、医学界は記載すべき項目の標準化を進め、産業界は医療従事者の負担なく質の高い標準化された診療情報を蓄積・提供できる仕組みを開発すること

4.国は国民とともに歩む医療を実現するために医療情報を国民に還元する制度を整え、産業界はPHR(Personal Health Record)の開発とともに医療機関以外で取得される医療関連情報をシームレスに取り扱える電子カルテシステムにすること

5.医療を安定的に国民に提供するには医療機関の安定した運営・経営が必要であり、産業界は電子カルテの蓄積情報をもとにリアルタイムで医療機関の運営・経営を支援する機能を提供すること

6.国は必要とされる医療情報の標準の開発を進め、持続的な維持管理体制を構築し、この標準を我が国の電子カルテシステムに必須の要件として定義すること

7.国は医療制度を点検しデジタル社会に完全に適応すべく見直しを図り、医療に関わる産業界は旧弊を改めデジタル改革を進めること

8.産業界は、日進月歩の医療に対応し急速に進化するICT(情報通信技術)を活用していくための柔軟な設計をおこない、国は制度的な支援をおこなっていくこと

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