DX推進 顧客に成果還元

目次

DX推進の重要性への理解が進む一方で、具体的な取り組みには至っていない企業が依然として多い。DX推進の効用・効果が明確化できていないことが大きな壁となっている。そんな中、自社の強みを再定義し、デジタル技術の活用で新たな価値創出につなげている先進企業のトップ2人にインタビューした。そこから見えてきたことは、顧客への提供価値をアップさせるドライバーとして、デジタル技術を活用している姿だ。

つながる世界をリード

横河電機 代表取締役社長 奈良 寿氏

会社概要
本社:東京都武蔵野市中町2-9-32
資本金:434億105万円
売上高:3899億円(2021年度、連結)
事業内容:産業向け制御・計測機器等の製造、販売、保守サービスなど

―――あらゆる産業でDXが加速していますね。 コロナ禍など、想定外の出来事が起きている現状において、様々な変数を考えた経営のかじ取り、データドリブン経営が不可欠です。その推進に欠かせないのがDX。DXを武器に急成長を遂げている会社には特徴があります。グランドデザインを持ち、データの統合が行われ、全体最適なオペレーションができていて、自社の強みを生かしたDXを推進しています。リアルなデータを価値あるものに変えていくことが大事だと思います。 ―――具体的にどう進めますか。 いま世界はあらゆるものが複雑につながり合う時代。単体のシステムだけでは実現できない目的を、つなげることで実現する「SoS(System of Systems)」が進んでいます。そこで当社では効果的な「つながり」を進め、統合化、自律化、デジタル化による全体最適で価値を生み出していきます。長年培ってきたOT(運用・制御技術)とIT(情報技術)の知見やノウハウを生かします。具体的なアプローチとして、まずシステムの自律化レベルを高めるため、AI やロボティクス、ブロックチェーンなどの先進デジタル技術を積極的に取り込み、活用します。また工場やプラントからつながりの対象領域を広げ、全体最適を図るスマート・マニュファクチャリングを推し進めます。すでにグローバル18工場を対象にデジタルファクトリー化を推進し、全体最適による生産性向上を実現しています。 ―――先日新会社「横河デジタル」を立ち上げましたね。 グローバルでの全体最適を目指す製造業のDXを支援する会社です。経営コンサルティングから、システムの実装、運用・保守までを一貫してサポートし、リカーリング(継続課金)型の事業モデルを含むお客様の課題解決を手伝う事業を展開します。 当社の原点である「測る力」と、情報や組織、産業を結び付けて価値を生み出す「つなぐ力」を生かし、お客様のDX推進を支援することを通じて、社会課題の解決をリードしていきます。

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