連携と共創でまちづくり 人材育成を生命線に~日経デジタルフォーラム九州 in KITAKYUSHU①~

目次

日本経済新聞社は「日経デジタルフォーラム in KITAKYUSHU~九州からニッポンを動かす~」をハイブリッド方式で開催した。北九州市が目指す「デジタルで快適・便利な幸せなまち」を実現するためには、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じてどのようにものづくりや観光などの地域課題の解決に取り組むべきか。議論から見えてきたのは人材育成と「連携」「共創」でつながることの重要性だ。

デジタル社会の先導役に

オープニングスピーチ

慶応大学教授 内閣官房参与 デジタル庁顧問 村井 純氏

昨年のデジタル庁の発足により、DXの準備が国全体として整いました。そしてコロナ禍での試行錯誤を経て在宅勤務やオンライン授業などDXに関わる生活スタイルが当たり前になりました。20年で起こると予想されていたことがたった2年間で実現してしまったということです。誰一人取り残されずデジタル社会の中で活躍する環境が整い、それが理解された点がとても重要です。

岸田政権の進めるデジタル田園都市国家構想は、デジタルを利用して地方から活性化し、この国の未来を創造していこうという考え方です。この点、我が国で一番強い期待を担っているのは九州です。九州はデジタル田園都市国家構想の中でデジタル社会をつくっていく先導者にならなければいけないと思います。

DXで切り拓く、北九州の未来

最上流からのデジタル・ファースト

北九州市長 北橋 健治氏

北九州市は5つの都市の対等合併で生まれ、来年60周年です。鉄鋼業の発祥の地で、ものづくりのメッカとして発展しました。このまちの特徴は公害を見事に克服したことです。OECDからグリーン成長のモデル都市に選定されたことが私たちの誇りです。製造業はかなり人数が減り、人口減など苦労もしているなか、DXや脱炭素、物流に活路を見出して一生懸命頑張っています。

DXについては、2040年を目標に計画をつくり、まずは5年間集中的に取り組むことにしています。企画等の最上流からのデジタル・ファーストの方針のもと、市民センターでのデジタル活用講座など高齢者等へのデジタルデバイド対策を進める一方、デジタルは便利という実感が持てるようにデジタルネーティブ世代に向けた子育て政策に優先的に取り組んでいます。

地域産業の生産性向上・価値創出につなげるため、「北九州市ロボット・DX推進センター」を発足し、切れ目のない伴走支援体制を構築しました。産学官金のハブ機能を果たすことを目指し、地域企業とSIer、大学、金融機関の集いの場をつくっています。20年12月には「DX推進プラットフォーム」も立ち上げ、現在322社が参加しています。企業のDXを推進するための人材育成スクールや補助金制度も設けています。

この数年間でDX分野を中心に約120社の進出が決まっています。企業進出のプロモーションの決め手は人材の確保と考え、九州、山口県の学校と顔の見える関係を構築しました。北九州はものづくりのまちで120年の歴史があり、教育システムで理工系の方を輩出する仕組みが整っています。もう一つ。「リビルド(再建する)」と「インビテーション(招く)」を組み合わせて、「リビテーション」という造語を作りました。とにかくインテリジェントビルをつくり、DX系、デジタル系企業の誘致を精力的に行うということです。

ものづくり、SDGs、デジタル。この3つを掛け合わせることに北九州市の将来の生命線があるとの気持ちで取り組んでおり、デジタルによって企業社会が繁栄し、できるだけ多くの若者が北九州に定着することを願っています。

次のページ:「デジタルで快適・便利な幸せなまち」を目指して
  • 1
  • 2