連携と共創でまちづくり 人材育成を生命線に~日経デジタルフォーラム九州 in KITAKYUSHU②~

目次

九州広域で進む最新の観光DXとMaaSの取組み

観光消費 MaaSで活性化

(左)セールスフォース・ジャパン 金融&地域DX営業本部 執行役員 本部長 井口 統律子氏
(右)ゼンリンデータコム パートナー事業本部 パートナー第一事業部長 中西 紀子氏

(左)九州旅客鉄道 総合企画本部 経営企画部 モビリティサービス推進室長 木下 貴友氏
(右)NTTコミュニケーションズ 九州支社ソリューション&マーケティング営業部門 部門長 兒玉 大氏

モデレーター|JTBエリアソリューション事業部 企画開発推進チーム 開発推進担当マネージャー 北邨 昌子氏

北邨 人・企業・地域をつなげることで、観光を基軸に社会課題の解決を目指しています。送客と誘客を地域活性化の両輪と捉え、地域の魅力を磨き上げることを大事にしています。 井口 最も重要なのはお客様がお金を落としてくださる瞬間に接点・つながりをもってお客様を知ることで、お金を落としていただくためのデータ利活用を観光DXと捉えています。地域の事業者が稼げなければ持続可能ではありません。持続可能なグランドデザインをデジタルがどう支援できるのかが観光DXのトレンドです。 中西 昨年度にどこでもテーマパークという取り組みを行いました。地域の観光にデジタルアトラクションと、個人に合わせた情報を提供する観光アプリを組み合わせて、新たな観光コンテンツやエリアマネジメントを創出できるかを検証したものです。実際の観光資材にデジタルをどう生かすかに重点を置きました。 兒玉 利用者の性別、属性、趣味趣向といった固定データに、位置情報、天候などの動的なデータを組み合わせることで、旅行者の行動を予測し、情報をリアルタイムに配信するFUN COMPASSという仕組みを活用して観光Maasに取り組んでいます。観光消費につながるものとして、継続的にサービスをブラッシュアップしたいと考えています。 木下 既存の公共交通を新しいモビリティーや地域のコンテンツとつなぎ、ワンストップで提供することで移動需要が生まれ、交通が活性化し、観光の振興につながることを期待しています。地域交通事業者の連携が重要で、競争を共創に切り替え、持続可能な地域交通づくりを目指します。8月には官民一体で九州Maasプロジェクト研究会を立ち上げました。 北邨 つながることで豊かな観光体験を提供し、地域発展につなげることを観光DX、Maasの取り組みで実現できればと思いました。

九州から拡がる製造DX デジタル化のその先へ

ビジネス変革への流れ理解を

(左)TOTO上席執行役員 セラミック事業部長 宮地 淳氏
(右)ふくおかフィナンシャルグループ 営業統括部 部長 河﨑 幸徳氏

(左)リョーワ 代表取締役 田中 裕弓氏
(右)モデレーター|デロイト トーマツ コンサルティングディレクター 芳賀 圭吾氏

芳賀 製造業の成長・変革のためのDXの進め方をどう考えますか。 宮地 社是の1つに、「良品と均質」という言葉があり、製造DXはこれを追求する取り組みです。すでに工程の自動化やAI活用による外観検査の自動化を進めていますが、今後は新共通価値創造戦略「TOTO WILL2030」に掲げる「カーボンニュートラルで持続可能な社会を実現」と「すべての人に快適で健康な暮らしを」がセラミック事業の目指す未来です。工場には活用しきれていないデータがまだまだあり、うまく活用できれば生産性が向上し、品質も良くなると考えています。 河﨑 お取引先企業のデジタル化を支援するため福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行の3行にITコーディネーターの資格を取得したコンサルタントを配置しており、まずはデジタル化、その次にDXという形でアプローチしています。製造業の経営者へのヒアリングしたところ、労働生産性を改善していきたい気持ちはある半面、課題を改善していくロードマップをイメージできていないと感じており、個別最適から全体最適、さらにビジネス変革へとデジタル化がDXにつながる過程を理解できるように伴走して支援しています。 田中 油圧のメンテナンスなどを手掛ける中小企業ですが、中堅・中小企業のDX優良事例を選定する今年のDXセレクションで準グランプリをいただきました。DXを通して企業文化の改革、価値創造手段の変更、働きやすい職場の実現、新たなビジネスの創出を目指しています。中小企業の生産性向上のため低価格なサブスクリプション(定額課金)で外観検査システムを提供するビジネスを創出することに取り組んでおり、企業文化も以前とは別の会社というぐらい変わっています。私は中小企業のほうがDXを進めやすいと考えています。 芳賀 単にデジタル化するだけでなく、企業や地域が新しい価値を生み出せるような変革を、ビジョンから実行まで支援していきたいとの思いを強くしました。

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