関西発・デジタルが描く未来社会〜日経デジタルフォーラム in Osaka Kansai②~

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2025年大阪・関西万博の開催を控えた大阪・関西地区。官民連携によるデジタルシフトやスーパーシティ区域指定も生かした豊かな未来社会の実現に向けて取り組みが加速している。11月4日に開催されたフォーラムでは、行政のデジタル化やスマートシティ戦略、デジタルを生かした観光ビジネスやヘルスケアなど、産官学の有識者を招いて議論・発信が行われた。

療養者情報システムでデジタル改革を実現

パネルセッション③
「DX活用により府民を守る 〜新型コロナ陽性者対応を事例に〜」

大阪府健康医療部保健医療室 感染症対策支援課総括主査 寺岡 新司氏/
セールスフォース・ジャパン エンタープライズ 金融&地域DX 営業統括本部 第四営業部長 山中 晋典氏
デロイト トーマツ コンサルティング Customer & Marketing Technology ディレクター 山下 桂史氏
モデレーター|デロイト トーマツ コンサルティング パブリックセクター ディレクター 橋本 正博氏

国内では今年10月時点で、累積2200万人の新型コロナウイルス感染者が出ている。大阪府は以前、感染者情報などをエクセルファイルで管理しており、保健所、庁内関係部署、宿泊施設などとの連携に課題があった。そこで大阪府はデロイトトーマツ、セールスフォースと共同して21年7月以降、O-CIS(大阪府療養者情報システム)を導入。O-CISの運用開始以降は、宿泊や入院調整、自宅療養支援などの業務で運用され欠かせない基盤システムとなった。

寺岡氏は「O-CISの活用でリアルタイムに情報を共有でき、申請のシステム化による事務処理簡素化、データ分析円滑化などのメリットがあった」と語った。セールスフォースのスピーディーな対応、システムの機能追加のしやすさにも助けられたという。同社のサービスでは、業務をデジタルによって変革し、データの集約化、可視化、整備、標準化を実現。必要なデータを活用できる市民データプラットフォームを提供する。山中氏は「このようなデジタル活用によって、生活者向けサービスの向上、スマート観光&地域プラットフォーム、行政DXなど、地域活性化の取り組み支援を行っている」と述べた。

また、デロイトでは20年5月に、新型コロナ陽性者を管理する対応業務を初期導入した。山下氏は「各自治体向けにもソリューションを展開し現在では8自治体59保健所で導入された」と語った。さらに橋本氏が「スピード感を持った課題解決のために、プラットフォームの活用、現場の強いリーダーシップがポイント」と述べ議論は締めくくられた。

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