官民で新たな国づくりへ 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム②〜

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5月にデジタル改革関連法案が成立、9月にはデジタル庁が創設される。わが国は「デジタル立国」に向けて大きく動き出した。そこで、日本経済新聞社と日経BPは、企業の経営改革や政府機関の政策転換など「新たな国づくり」について、デジタルを軸に高い視座で議論する「デジタル立国ジャパン・フォーラム」を開催。デジタルの活用で、日本の競争力を強化し、強じんな社会を構築するには何が必要か。政府担当者や専門家を集め、活発な議論を行った。

技術の恩恵 全国民に 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム①〜 を読む
トップは明確なビジョンを 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム③〜 を読む
行政サービスをスマート化 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム④〜 を読む

デジタル庁本格始動へ

内閣情報通信政策監(政府CIO) 三輪 昭尚氏

政府は「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」に向けて動き出した。

主な施策はネットワークやデータ流通環境の整備、国民目線での行政サービスの質の向上、安心して参加できるデジタル社会の形成、国と地方が連携して情報システムの共同化・集約等の推進、そして国際的なルール形成への主体的参画と重点計画の作成・公表だ。

これらを実施するための司令塔が、強力な総合調整機能を持つデジタル庁である。デジタル庁の業務は、まず国の情報システムの基本的な方針の策定と予算計上を行い、その統括・監理を行う。地方共通のデジタル基盤となるガバメントクラウド移行に向けた標準化・共通化の推進。マイナンバー制度全般の企画立案。教育・医療・防災など準公共分野における情報システムの整備の統括・監理。社会の基本データであるベース・レジストリの整備。民間企業等における実務経験を有する人材の確保等である。国民に便利で快適なサービスを提供するため、奮闘している。

市民への信頼がベース

台湾デジタル大臣(ソーシャル・イノベーション担当) オードリー・タン氏

デジタル活用は先進技術の導入やIT(情報技術)化だけではなく、人々が共同してデジタル格差やインフォデミック(誤情報の拡散による社会的被害)をなくすことが大切だ。台湾は誰も置き去りにしない、社会全体のデジタル化を目指している。社会をデジタル化に合わせるのではなく、社会のためのデジタル化がポイントだ。

デジタル革命とIT革命は異なり、デジタル革命は一朝一夕になし得ない。重要なのは徹底して市民を信頼することだ。

いま私が目指しているのは「モノのインターネットを、人のインターネットに」「仮想現実を、人と共有する現実に」「機械学習を、人と共同する学習に」「ユーザー経験を、人の経験に」――である。シンギュラリティー(技術的特異点)が到来しても、この世界にはプルーラリティー(複数性)がある。

コロナとの闘い同様、サイバーセキュリティーや個人情報保護は日本と台湾が協力して進めることが欠かせない。ぜひ一緒にデジタル革命を起こそう。

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