トップは明確なビジョンを 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム③〜

目次

5月にデジタル改革関連法案が成立、9月にはデジタル庁が創設される。わが国は「デジタル立国」に向けて大きく動き出した。そこで、日本経済新聞社と日経BPは、企業の経営改革や政府機関の政策転換など「新たな国づくり」について、デジタルを軸に高い視座で議論する「デジタル立国ジャパン・フォーラム」を開催。デジタルの活用で、日本の競争力を強化し、強じんな社会を構築するには何が必要か。政府担当者や専門家を集め、活発な議論を行った。

技術の恩恵 全国民に 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム①〜 を読む
官民で新たな国づくりへ 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム②〜 を読む
行政サービスをスマート化 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム④〜 を読む

デジタル人材育成に挑む

(左)iU学長 中村 伊知哉氏
(右)元国務大臣(地方創生・規制改革・女性活躍)、自民党総務会長代理、参議院議員 片山 さつき氏

(左)損害保険ジャパン 取締役専務執行役員 兼 SOMPOシステムズ 取締役会長 浦川 伸一氏
(右)経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 アーキテクチャ戦略企画室長 和泉 憲明氏

司会:デロイト トーマツ コンサルティング パートナー 執行役員 森 修一氏

IMDのデジタル競争力ランキングで日本は62位、2030年に約45万人のIT人材が不足するという現状を踏まえ、冒頭片山氏から政府のIT人材育成方針が紹介された。

片山氏は「人材類型ごとに学びの場を提供し、国が共通するコンテンツの提供や個別教育の支援を行う。IPAデジタルアーキテクチャ・デザインセンターでトップレベルの優秀な人材を厳選して育成するほか、教育機関をDX人材育成機関にグレードアップし、5年間で175万人のデジタル人材、リテラシーレベルを含めて500万人を育成する」と力説。

この話を受けて司会の森氏が「日本企業のDXの現状認識、デジタル人材育成上の課題、今後我が国がDX人材について取るべき戦略を聞きたい」と登壇者に意見を求めた。

中村氏は日本のDXの現状について「コロナ前、テレワークできる企業は25%と主要国で最低レベルだった。それ以上に深刻だったのが公共分野。各種手続きがオンラインでできたのは7.5%、オンラインで授業ができた学校は5%にとどまる。コロナで気づかされた弱点をチャンスと捉え、DX人材の育成に力を注ぐべき」と発言。

浦川氏は「あらゆるサイクルが短縮化し、ベンダーだけがシステムを作るやり方が時代には合わなくなっている。ポートフォリオを相当変えなければいけない」と人材育成上の課題を指摘した。

和泉氏は「まず産学官でアーキテクチャーを作ることが重要。その上で地域ごとのエコシステムを構築する。教習所をたくさん作ってペーパードライバーを量産するような従来のIT政策では駄目。一気にどれだけ進められるかがポイント」だと展望を述べた。

次のページ:DXで新たな行政サービスを創る