トップは明確なビジョンを 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム③〜

目次

DXで新たな行政サービスを創る

(左)内閣審議官 (内閣官房IT総合戦略室・ 副政府CIO) 冨安 泰一郎氏
(右)三条市長 滝沢 亮氏

(左)地方公共団体 情報システム機構 (J-LIS)理事長 吉本 和彦氏
(右)ITコーディネータ協会 会長 澁谷 裕以氏

司会:日経BP総合研究所 コンサルティング ユニット長 田中 祐子

デジタル技術の活用で行政サービスはどのように進化していくのか。冨安氏は「政府はデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針を掲げている。デジタル庁はマイナンバーカードの普及をはじめデジタル社会の共通機能の整備を目指しているが、大事なのは国民との接点。使いやすさも追求していく」と決意を示した。

滝沢氏は既に実施を始めた自治体の取り組みとして、LINE WORKSを使った情報共有や事業者との電子契約、職員採用試験のオンライン化などの例を示しつつ、「目的は市民と職員の〝楽ちん化〟。楽するメリットを市民にも享受してもらいたい」と述べた。

日本のデジタル基盤を支える行政のインフラの現状を詳しく解説したのは吉本氏。「日本年金機構と自治体をオンラインで結び、年金事務は正確かつスピーディーに業務がなされている。病院で診療を受けられるシステムも4月に完成し、現在調整中だ。マイナンバー業務以外もLGPKIと呼ばれる法人の電子認証を進め、電子入札などができる仕組みを整えている」。

澁谷氏からは「良いDXは良いビジョンから。5年先、10年先にどんな社会を目指すのか。トップの明確なビジョンなしにDXは進まない」との提言があった。これを受けて司会の田中氏は「行政トップがビジョンを示すに当たって、何に留意すべきか」と質問。澁谷氏は「苦手だからといって及び腰になるトップが多すぎる。大事なのは行政トップがデジタル技術から逃げずに向き合うことだ」と回答した。滝沢氏も「その場だけを考えると紙で解決する方が早い。しかし次の世代を考えて、DX化を進めていく覚悟が必要」と強く同意を示した。

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