「デジタル原則」で社会刷新 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム①〜

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昨年9月のデジタル庁の発足や「デジタル田園都市国家構想」の推進など、デジタル化の遅れを取り戻すため、産官学が力を合わせて日本社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいる。デジタルを意識することなく、年齢を問わず誰もが多様な幸せを追求できる「真のデジタル社会」の実現に向け、いま何をすべきか。5月23日・24日の2日間にわたって実施された「デジタル立国ジャパン・フォーラム」(主催:日本経済新聞社、日経BP)では、”誰ひとり取り残されないデジタル化〞へ、産官学の有識者が集い、デジタル立国への道筋について熱い議論が交わされた。

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豊かさもたらす変化を 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム③〜 を読む
知を集結、新たな国造り DX推進で幸福感向上 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム④〜 を読む
セキュリティー 意識改革を 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム⑤〜 を読む

国民一人ひとりに恩恵

デジタル大臣/行政改革担当大臣/内閣府特命担当大臣(規制改革) 牧島 かれん氏

デジタル庁は、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」をミッションに掲げ、社会全体のデジタル化を推進し、国民にデジタル化の恩恵を届けることを目的にしている。「Governmentas a Service」「Governmentas a Startup」というビジョンの下、「この国に暮らす一人ひとりのために」「常に目的を問い」「あらゆる立場を超えて」「成果への挑戦を続けます」という4つの価値観(バリュー)を共有し、業務に当たっている。

現在、デジタル化の遅れを取り戻すため、政府と地方自治体が共通で利用できるガバメントクラウドの整備、住民記録や地方税など地方自治体の20の基幹業務・システムの統一・標準化を進めている。また国が掲げる「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、昨年11月にデジタル臨時行政調査会を立ち上げ、同年12月にデジタル社会の基本となるデジタル原則をまとめた。人手不足解消や生産性の向上などの課題解決には、デジタル原則の徹底が不可欠。そこで4万以上ある法令・通達などと2万以上ある行政手続きについて、デジタル原則との適合性を点検。一括見直しプランを策定し、法令改正の準備に入ったところだ。

お客様寄り添う存在に

SOMPOホールディングス グループCEO取締役 代表執行役会長/経済同友会 代表幹事 櫻田 謙悟氏

私の社長就任時は、祖業である損保と生保事業の国内が事業の中心であった。それを海外保険事業、介護事業、そしてデジタル事業と、事業ポートフォリオの変革を推し進めてきた。その理由は、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代において、情報通信技術(ICT)の発達による第4次産業革命が、果たして我々人類を幸せにするのかという疑問、危機感からだった。当社のパーパス(存在意義)は、「安心・安全・健康のテーマパーク」によってあらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことができる社会の実現。人とデジタル技術の融合により、一人ひとりの思いにこたえ、リアルデータを活用するプラットフォーマーとして、お客様に寄り添う存在になることを目指している。

例えば介護事業では、散在するデータを統合して見える化し経験の浅い人でも高い品質のサービスが提供できる「見える介護」や、活動、認知、栄養などに関わるヘルスケアデータを活用した「予測する介護」などについて、自社施設で試験運用を進めてきた。介護サービスの品質と生産性を向上した新たなビジネスモデルとして、今後幅広く横展開していく考えだ。

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