「デジタル原則」で社会刷新 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム①〜

目次

自治体のDXの方向性 〜自治体と住民の関わり方の変革〜

住民CRMを基盤に推進

(左)千代田区長 樋口 高顕氏
(右)デロイト トーマツ コンサルティング パブリックセクター 執行役員 大濵 憲氏

(左)デロイト トーマツ コンサルティング パブリックセクター シニアマネジャー 出水 裕輝氏
(右)〈司会〉日経BP 総合研究所主席研究員 小林 暢子

新型コロナウイルス感染拡大の影響で社会情勢が大きく変わる中、行政のデジタル化が喫緊の課題となっている。冒頭、司会の小林氏は、樋口区長にDXに取り組む理由を聞いた。千代田区は利便性の高い地域性に加え、対面サービスが充実していた結果、デジタル化への切迫感が薄かった。しかし近年人口が増加、職員の減少もあって、「住民の多様なニーズに対して質の高いサービスを提供し続けるには、デジタル化が必然だった」と樋口区長は答えた。

デジタルガバメントが「あったらいい」から「実現が必須のもの」へと、住民の意識変革が進んだことで、出水氏は「行政手続きは今後デジタルとリアルを自分で選べることが必要不可欠になる」と話した。

千代田区ではデジタル戦略組織をつくり、若手職員を中心とした区長直轄の部署横断型プロジェクトチーム(PT)を設置。区長のリーダーシップと現場のオーナーシップの両面からの改革推進と、住民の利便性と職員の業務効率化という2つを核にしてDXを推進している。

多くの自治体が電子化は行われても効率化につながっていない実情に対し、PT運営に協力した大濵氏は「千代田区のDX戦略はBPR(ビジネスプロセス改革)を考えた取り組み」と評価した。

小林氏から自治体DXが創出する新たな価値について問われると、樋口区長は「住民のCRM(顧客情報管理)による変革」「情報共有の変革」「意思形成過程の変革」の3つを挙げた。

出水氏は住民CRMについて「住民一人ひとりの生活を理解し、それぞれに合わせたサービスの提供内容、提供方法、情報発信のやり方まで変えていくことがポイント」と指摘。大濵氏は組織全体の理解の浸透と考える土壌づくりが重要と話し、デロイトトーマツが提供する住民CRMの実現に寄与する行政サービス基盤「GovConnect」について紹介した。

最後に樋口区長は、「地方の自治体で進んできたDXも、今後は都市部などで急速に進んでいく。千代田区は区民に最も身近な基礎的自治体として、区民のWell-being を第一に考え、DXで区政をアップデートする」と締めくくった。

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