豊かさもたらす変化を 〜デジタル立国ジャパン・フォーラム③〜

目次

非構造データを利活用

オープンテキスト EIMエバンジェリスト 市野郷 学氏

急カーブで増加するデータの管理・活用なくして、デジタル立国は成立しない。管理・活用する仕組みそのものを変えていくことが重要だ。現代人が1日に接する情報量は平安時代の人一人の一生分、江戸時代の1年分といわれる。世界で作成されるデータ量は2025年までに175ゼタバイト(3万ギガバイトの1兆倍超)に達すると予想されており、18年から7年間で約5倍以上になる。この膨大なデータのうち、企業の情報管理では、業務アプリケーション内に整理された構造化データと、ドキュメントやログなどデータ形式が多種多様で所在が散乱しがちな非構造化データに分かれる。人に依存し、現在の企業情報の8割を占めるといわれる非構造データを機械が理解できるデジタルデータに変換し、情報資産として統合管理することがデジタル立国に向けて重要になる。

前例なき挑戦!~DXで見えてくる地方行政の未来の形~

パネルディスカッション

(左)総務省 自治行政局 地域力創造グループ 地域情報化企画室 森中 高史氏
(右)北九州市デジタル政策監 上田 紘嗣氏

(左)磐梯町最高デジタル責任者/愛媛県・市町DX推進統括責任者 菅原直敏氏
(右)〈司会〉電通 パブリック・アカウント・センター 社会創発室 シニアコンサルタント/自治体DX白書.com 共同編集委員長 西嶌 公基氏

パネルでは、地方行政DXの課題や進むべき未来について討議された。まず森中氏が「地方行政DXとは住民本位のサービス向上を目的として、デジタル技術で仕組みを変えていくもの。デジタル社会を実現するには国と自治体が歩調を合わせて進めていく必要がある」との考え方を示し、自治体DX推進計画で「マイナンバーカードの普及や自治体の行政手続きのオンライン化、自治体のAI・RPAの利用推進などの重点取り組み事項を定めている」と報告した。

上田氏は、北九州市がDX推進の司令塔とするデジタル市役所推進室について、「ポイントは条例設置。DXについて総合調整する強力な権限を持たせ、議会とともにDXを推進する姿勢を示した」と紹介。今後は「身近な場所でデジタルを意識せずに申請支援やリモート相談サービスが受けられるよう、市民サービス提供体制を多様化する」「子育て政策を優先順位の第一として、DXを推進していく」と述べた。磐梯町の菅原氏は「新しい取り組みを進めるには行政のフレームづくりが重要」と指摘。全国で初めての自治体最高デジタル責任者(CDO)設置や、デジタル変革戦略室をペーパーレス、リモート、クラウドを前提としたデジタルネーティブの組織とした前例なき挑戦の数々を紹介した。

討論では西嶌氏の「地方行政DXをうまく実行・推進するための秘訣は何か」との質問に対して、上田・菅原両氏は「トップのコミットメント」と回答。また「何をもってDXの成功とし、どのような未来を描いていくのか?」との質問には、森中氏が「過疎地域でも大都市と変わらない行政サービスを提供していくことが大切」と答えた。

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