市民が幸せな都市づくりを 〜SCI-Japan特別フォーラム①〜

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岸田政権が発足とともに掲げた「デジタル田園都市国家構想」は6月に基本方針が決まり、今後はデジタル技術を実装したスマートシティ事業が全国各地で動き出す。プロジェクトを成功に導くには、市民の暮らしやすさや幸福感といったウェルビーイングの視点が重要だ。スマートシティ・インスティテュート(SCI-Japan)が日本経済新聞社との共催により6月30日にオンライン配信で開催した特別フォーラムでは、ウェルビーイング指標に関する政策発表のほか、住民視点の町づくりに向けた自治体や企業、専門家による事例紹介やパネルディスカッションが注目を集めた。

地域自走へデータ連携

デジタル大臣行政改革担当大臣内閣府特命担当大臣(規制改革) 牧島 かれん氏

デジタル田園都市国家構想実現会議、略称「デジ田(デン)会議」は8回を重ね、6月に基本方針を閣議決定した。大切にしているのは東京のスモールコピーを作るのではなく、各地域の個性を伸ばすことだ。基盤となるデジタルインフラは国の責任で整備し、そのうえに各地の特徴を活かしたまちづくりが可能になると考えている。デジタルを考えるときには人間を中心に置く。人生は年代によって働き方も発想も大きく変わるが、その中でデジタルがどう貢献できるかを考えたい。

地方にこそチャンスがあると自信を持って各地の方々と確かめ合いたい。地域が国や自治体の補助金や交付金頼みにならず、自走するには、人や資金を民間から呼び込み、事業化することが必要だ。関係人口を含む多様な人の参加、意見交換やコミュニティ形成ができる空間も求められる。

難しいのは今、社会が人口増加から人口減少の局面へ向かっており、需要が供給に合わせる経済から、供給が需要に合わせる経済への転換が求められていることだ。そこで、データを集め、共有し、複数企業や自治体が助け合うデジタルなデータ連携基盤を生み出すことが意味を持つ。そのときにエリア全体で考えることが大切だ。山に例えれば、登山口は医療、教育など様々あっても、山頂にはウェルビーイングがある。KPIも医療や教育など個別のものだけではなく、ウェルビーイング全体の指標を考えていきたい。

牧島氏の講演資料を基に作成

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